三匹の子豚

先日、日本都市計画家協会のH氏にお目にかかり、実に興味深いお話を伺いました。
それは、有名な「三匹の子豚」のお話の別バージョンでした。
最初にオオカミに吹き飛ばされたわらの家の子豚を、
「家にお金をかけない分、子供には習い事をさせたり、豊かな生活をしたのではないか…」と。
な~るほど! 非常に面白い見方だと思いました。
そして、もっと先を考えてみました。

◆わらの家は開放的で、レンガ造りの家は閉鎖的ではないかと。
わらの家は、誰でも入ってこれますが、レンガの家はしっかりしていて、内と外をはっきり区別します。
扉を閉めれば、オオカミも入ってこれません。

◆わらの家は地方に多く、レンガ造りの家は都市型ではないかと。
隣近所が密な地方は、オープンでご近所が濃密な関係ですが
都市は、隣に誰が住んでいるかもわからないケースも多く、
犯罪が多発するので住まいはしっかりした造りが求められるのかもしれません。

つまり、「何にお金をかけるか」が問われているように感じました。
住まい(ハード)そのものなのか、生活(ソフト)そのものなのか。
もちろん「二者択一」の考え方は乱暴かもしれませんし、
住まいにお金をかけられる人は、生活にもお金をかけられることでしょう。
ただ、こういった見方も面白いなあと感じたのです。

そして、レンガ造りの家ばかりが良いとも思えなくなりました。
わらの家を選択するというのもなかなか「おつ」なものかもしれません。